弊社は、企業や団体の歴史をまとめる「社史」や「周年誌」の制作を専門としています。
日々の積み重ねを一冊にまとめ、次の世代へと受け継ぐ――その営みは、企業だけでなく、個人にもあてはまるのではないでしょうか。
近年、自分自身の歩みを記録する「自分史」に注目が集まっています。
人生100年時代といわれる今、「自分の歩みをまとめたい」「過去を振り返ることで、今後の人生の参考にしたい」と考える方が増え、自分史を記すことの意味が見直されています。
本記事では、自分史の定義や目的、活用法、そして作成時の注意点についてご紹介します。
自分史とは?──社史に通じる「個人の記録」
■自分史とは
「自分史」とは、自らの人生の出来事や思い出を振り返り、記録としてまとめたものです。
企業の歩みを社史として記録するように、個人の人生もまた、大切な「歴史」です。
自叙伝や回顧録に似ていますが、出版を目的とするものばかりではなく、家族や身近な人への贈り物として作成されるケースも多くあります。
その形式はさまざまで、以下のような要素が含まれます。
・幼少期から現在までの人生年表
・思い出の写真やエピソード
・趣味・仕事・家族との関わり など
特別な実績がなくても構いません。
日々の暮らしや何気ない出来事も、本人や家族にとってはかけがえのない財産です。
企業の社史が「組織の記憶」であるように、自分史もまた「生きた記録」として価値があります。
■エンディングノートとの関係性
自分史と似たものとして「エンディングノート」がありますが、その性質は異なります。
エンディングノート
医療・介護・葬儀・相続など、人生の最終段階での希望を記す実務的なノート自分史
人生の歩みや経験、想いを振り返って記録するもの
ただし、自分史を綴ることで、人生の価値観や大切にしてきたことが明確になり、それがエンディングノートの記述内容にも反映されるという点で、両者は補完的な関係にあります。
また、自分史の巻末に「これからの希望」や「家族への手紙」を加え、両者を融合させるケースもみられます。
自分史が注目される理由
■節目の記念に
退職、還暦、喜寿などの人生の節目で、自分のこれまでを記録に残したいと考える方が増えています。
自分史は、人生の集大成としてふさわしい成果物となります。
■家族・子孫への贈り物に
家族に向けて自分の人生を伝えたいという思いから、自分史を作成する方も少なくありません。
文章として残しておくことで、思い出や考えが次の世代にしっかりと伝わります。
■自己理解と心の整理に
自分史の執筆は、自分自身と向き合う作業でもあります。
過去の出来事に意味を見出し、新たな気づきを得る機会としても有効です。
自分史の活用例とは?
完成した自分史は、さまざまな形で活用できます。
・家族の集まりでの読み聞かせ
・還暦や退職の贈答品
・地域の郷土資料への寄稿
また、最近ではスマートフォンでも読める「デジタル自分史」や、動画・音声を取り入れたマルチメディア型の自分史も登場しています。
自分史制作の課題とプロによる支援
魅力的な取組である一方で、自分史制作にはいくつかのハードルがあります。
よくあるつまずき
・何から書けばいいかわからない
・書いているうちに収拾がつかなくなる
・途中で手が止まってしまう
・印刷やレイアウトが難しい
こうした課題に対し、プロの編集者やインタビュアーがサポートするサービスもあります。
話すだけで文章化してもらえるサービスや、冊子化・製本まで請け負う専門業者もあり、誰でも安心して取り組める環境が整っています。
信頼できる専門家のご紹介が可能です
当社では、かつて自分史の制作も行っていましたが、現在は制作サービス自体は提供しておりません。
ただし、自分史制作を専門に手がける団体「自分史活用推進協議会(https://jibun-shi.org/)」と連携しており、ご希望の方には信頼できる専門家をご紹介することが可能です。
「自分史を作りたいけれど、どう進めたらよいかわからない」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。