「最近、社内報があまり読まれていない気がする……」。社内報の制作会社である弊社には、このような相談がよく寄せられます。これは社内報の永遠のテーマです。
紙で配っても読まれているか分からない。イントラに掲載してもアクセス数が伸びない。特に、現場職や店舗勤務、外回りの多い社員には、そもそも情報が届いていないのでは?と感じたことはありませんか。
こうした課題に対して、私が個人的に注目しているのが、「LINEで届ける社内報」です。これまで“見に行く”ことが前提だった社内報を、スマートフォンに“届く”ものへと切り替えてみる。そんな発想の転換が、実は高い効果を上げるのではないかと考えています。
LINEで社内報?どんな仕組み?
皆さんも、飲食店のクーポン配信や企業のセール情報などがLINEに届いたことがありますよね?LINEは今や、単なるメッセージツールにとどまらず、企業から消費者への情報発信にも使われる、身近なビジネスインフラになりつつあります。
その機能を社内向けに応用するのが「LINE社内報」です。社員がLINE上で企業の公式アカウントを“友だち登録”しておけば、管理側から一斉に情報を送ることができ、受け取る側はいつものトーク画面で自然に読むことができます。普段から使い慣れたLINEで完結するため、操作に迷うことがなく、導入のハードルも低いのが特長です。
プル型とプッシュ型の違いが効く
これまでの紙やイントラ、Web社内報は、「見に行ってもらう」ことが前提でした。つまり、情報を受け取る側が能動的にアクセスする“プル型”の仕組みです。一方、LINE社内報は、スマートフォンに通知が届く“プッシュ型”。この違いが、実は非常に大きなインパクトを生んでいます。
通知が届くことで、「あ、こんな情報が更新されたんだ」と社員がリアルタイムで気づき、そのまま自然な流れでスマホから記事を読む——そんな行動のハードルがグッと下がります。特に、社内システムに頻繁にアクセスしない現場職や移動の多い社員にとっては、“情報が向こうからやってくる”ありがたい仕組みといえるでしょう。
開封率80%!? LINEならではの強み
LINE社内報を導入したある企業では、「開封率が80%を超えた」という声も上がっています。従来のイントラ掲載やPDF配布では、なかなか到達できなかった閲覧率が実現できるのは、LINEというプラットフォームの強みがあるからこそです。
日常的に使っているLINEなら、通知が届けば無理なく目を通してもらえる可能性が高まります。画面のレイアウトもスマホ向けに最適化されており、通勤時間や昼休みなど、ちょっとした空き時間に読む習慣が自然に根づいていきます。
導入のハードルは意外と低い
「でも、運用や設定が大変なのでは?」と思われるかもしれませんが、実はとてもシンプルです。
企業側がLINEの公式アカウントを開設し、社員が友だち登録するだけで、配信は可能になります。投稿はPCからでもスマホからでも手軽に行え、写真やリンクも簡単に添付できます。
参考:LINE公式アカウント
記事の全文をLINE内に書く必要はなく、イントラネットやGoogleドキュメントなどに本文を置き、LINEではタイトルとリンクだけを送るという使い方も可能です。情報の整理がしやすく、閲覧の導線も柔軟に設計できます。
デメリットもきちんと理解しておく
便利なLINE社内報ですが、すべての課題を解決できる“万能ツール”ではありません。特に注意が必要なのは、個人のスマートフォンを前提に運用されるケースが多いという点です。
社員の中には、業務用とプライベート用をしっかり分けたいという人もいるため、「登録は任意」「通知は自由設定」といった柔軟な対応が求められます。また、LINEは文字数や表現方法にある程度の制約があるため、大量の情報や業務資料的なコンテンツの配信には向かないことも。紙やイントラとの併用や、用途の使い分けを意識するとよいでしょう。
少しずつ試すことから始めよう
LINE社内報の導入は、一気にすべてを切り替える必要はありません。「社長のメッセージだけ配信してみる」「新人紹介だけLINEで届けてみる」といった形で、まずは小さな試みからスタートするのが現実的です。
読者の反応を見ながら運用ルールを整えていくことで、社員にとっても違和感なく馴染んでいきます。定期的に発行する紙やWebとは異なり、「ちょっとした出来事をすぐに届ける」という速報性も、LINE社内報ならではの魅力です。
情報があふれる時代だからこそ、「どう届けるか」がますます重要になっています。
社内報も、“見に行く”時代から、“届く”時代へ。
LINEを活用したプッシュ型の情報発信は、社内コミュニケーションに新しい選択肢をもたらします。まずは、1通だけ——。LINEで社内報を始めてみませんか?