いまや、企業でChatGPTなどの生成AIを業務に活用するのが当たり前になっています。社内報の分野でも、「タイトルや見出し案を出す」「記事を要約する」「文章を整える」といった場面で活用される事例が増えてきました。
一方で、社内報では個人情報や機密情報など、社外秘の内容も多く含んでいます。ChatGPTを安心して活用するためには、「学習させない」「履歴に残さない」などの適切な設定とルールづくりが欠かせません。
この記事では、ChatGPTを社内報制作に活用する際に最低限行っておきたい設定と注意点をご紹介します。
社内報におけるChatGPTの活用シーン
まず、社内報制作のどんな場面でChatGPTが使えるのかを整理してみましょう。実際に現場でよく使われているのは、以下のようなケースです。
・原稿整理や要約
・文章の編集や校正
・読者に伝わりやすくするための見出し候補の提案 など
いずれも非常に便利で、工数削減や品質向上に役立つ使い方です。しかし、ChatGPTに原稿の全文を入力する場合、そこに機密情報や個人情報が含まれていないかどうかには十分な注意が必要です。
「学習されてしまうのでは?」という不安
ChatGPTを社内で使おうとすると、よく聞かれるのがこの質問です。
「この内容、AIに学習されてしまわないの?」
実際には、ChatGPTでは、設定により“学習されない”ようにすることが可能です。履歴や会話内容が学習に使用されるかどうかは、ユーザー側の設定次第ということになります。
ChatGPTに「学習させない」ための設定方法
ChatGPT(無料/有料Pro)の場合
OpenAIの公式サイトで利用している場合、以下の設定を行うことで、会話内容が今後のAI学習に使われないようにすることができます。
設定は簡単です。設定画面の「データコントロール」から、「すべての人のためにモデルを改善する」を「オフ」にするだけです。
この設定をオフにすると、会話内容はOpenAIの改善に使用されず、履歴にも残らなくなります。
◇ChatGPT Team/Enterpriseプランを使っている場合
企業でChatGPT TeamやEnterpriseプランを導入している場合は、会話内容が学習に使われない設計になっています。
さらに、管理者によるアカウント管理やデータ保護、業務用APIの利用制限なども可能であり、より高度なセキュリティ環境のもとでAIを活用できます。もし複数人での継続利用を検討している場合は、Teamプランへの移行も視野に入れると良いでしょう。
安全に使うための社内ルールを整備しよう
設定だけでなく、社内での活用ルールを事前に整備することも重要です。たとえば、以下のようなルールを検討するとよいでしょう。
・未公開情報は使用禁止
・ChatGPTの用途を限定(例:ブレスト、原稿整理、構成案生成など)
このようなガイドラインを共有することで、チーム内での不安を軽減し、安全な活用が可能になります。
まとめ
社内報にChatGPTを活用する際は、個人情報や機密情報の扱いに十分注意が必要です。
最低でも「学習されない設定」を行い、社内ルールを整えたうえで、安全かつ効果的に活用していきましょう。