社内報を制作する際には、発行目的や媒体選定から印刷・発行まで、多くの工程を踏む必要があります。
この記事では、初回発刊時に必要な準備と、発刊ごとに行う基本的な制作フローについて整理してご紹介します。
初回発刊時に行うこと
1. 発行目的を定める
まずは、社内報を「何のために発行するのか」という目的を明確にします。
目的がはっきりしていると、「どんな内容を・誰に・どう届けるか」が明確になり、社内報のブレがなくなります。
・社内コミュニケーションの活性化 … 部署間・拠点間の連携を促す
・多様な働き方の中での一体感づくり … リモート勤務者などにも帰属意識を醸成
2. 発行頻度を決める
目的や運用体制に応じて、どのくらいの頻度で発行するかを検討します。
無理のない体制で発行できるよう、「発行目的に見合った頻度」+「実務上の運用可能性」+「予算」のバランスを取ることがポイントです。
・隔月刊(年6回)
・季刊(年4回)
・年1回
・不定期発行(プロジェクト単位や必要時のみ)
3. 発行媒体を決める
紙媒体かデジタル媒体(Web、PDF配信)かを選択します。
働き方の多様化に合わせて「紙+PDF」などのハイブリッド形式も選ばれています。
媒体 | 特長 |
紙媒体 | じっくり読ませることが可能。アナログ世代にも届きやすい |
デジタル媒体 | スピーディに配信可能。コスト削減・ポータル掲載に最適 |
4. ベースデザインを決める
発行媒体が決まったら、それに合ったデザインの方向性を検討します。
お打ち合せのうえ、弊社からいくつかのベースデザイン案をご提出させていただきます。
・簡易レイアウト型 … お知らせ中心、実務に役立つ情報をコンパクトに伝える
発刊ごとに行うこと
1. 年間スケジュールのすり合わせ
年間での発行回数や発行日をあらかじめ設定し、大まかな進行計画をすり合わせます。
経営方針の発信時期や社内イベントなどを考慮して、年間の編集方針も共有できるとより良いでしょう。
2. 企画会議(編集会議)の実施
発行ごとに企画会議(編集会議)を実施し、企画内容や特集テーマ、取材対象などを検討します。
弊社にて複数の企画案を用意し、それをもとに会議を進める形も可能です。
3. 掲載内容・台割の決定
編集会議で決定した内容をもとに、掲載内容を整理し、ページ構成(台割)を作成します。
どのページにどの企画を配置するかを事前に整理しておくことで、制作工程がスムーズに進行します。
4. ラフデザイン作成
台割に基づいて、各ページの構成案(ラフ)を作成します。
おおまかなレイアウトや必要な写真点数、原稿量などを確認することができます。
5. スケジューリング
発行日から逆算し、各工程のスケジュールを設定します。
原稿の締切や校正日、入稿日などを明確にしておくことで、納期遅延を防ぎます。
6. 原稿の依頼
掲載内容に応じて、関係部門や取材対象者に原稿執筆や情報提供を依頼します。
依頼時には締切や文字数、写真の有無などもあわせて伝えます。
7. 原稿の収集
原稿を回収し、文言の統一や表記ルールの整備など、編集作業を行います。
一般的には事務局が取りまとめますが、弊社にそのままご転送いただく形式でも問題ありません。
8. デザイン・レイアウト
収集した原稿をもとに、実際のデザイン・レイアウトを行います。
写真やイラスト、図版の配置などを調整しながら、誌面を仕上げていきます。
9. 校正・ご確認
完成した初稿を確認し、誤字脱字や事実関係、デザイン面でのチェックを行います。
通常は2~3回程度の校正を経て、最終稿へと仕上げます。
10. 印刷・納品(またはデータ納品)
校了後、印刷工程へ進みます。
仕様に応じた印刷方式で印刷・製本を行い、納品となります。デジタル配信の場合は、最終データを所定の形式で納品します。
以上が社内報制作の基本工程となります。