取材当日、いきなりトラブル発生!?
前回までで執筆に悪戦苦闘しつつも、何とか原稿を書き上げた私たち。今度はいよいよ待ちに待った取材です。なかでも目玉は、我が社の社長へのインタビュー。コロナ禍における会社の舵取りについて、たっぷりとお話を伺う絶好の機会となるはずでした。
入念な事前準備を経て、ついに取材当日を迎えます。
「やっと社長にインタビューできる日が来たね!」
「ドキドキするけど、質問事項はバッチリ用意したし、あとは本番を迎えるだけ」
気合十分のメンバーでしたが、開始直前になって思わぬトラブルが発生します。社長の秘書から連絡が入り、こう告げられたのです。
「大変申し訳ありません。急遽、時間を短縮せざるを得なくなってしまいまして…」
「30分程度なら何とか捻出できそうなのですが、よろしいでしょうか」
予定していた1時間があっという間に半分に…。メンバー一同、愕然とします。時間が短くなった上、撮影もする予定。これでは事前に用意した質問を全てこなすのは無理な話です。
「せっかく準備したのに、全部パーになっちゃうの!?」
「でも、社長のスケジュールは融通がきかないよね…」
「この短時間で、どうやって必要な情報を引き出せばいいんだろう」
頭を抱えるメンバーを横目に、冷静に対応策を考えます。時間が限られているなら、その分密度の濃いインタビューにするしかありません。
「いち早く本題に入るためにイントロは思い切って端折ろう」
「聞きたいことを厳選して重要な質問に絞り込むんだ」
覚悟を決めたメンバーは、ギリギリまで入念にシミュレーション。限られた時間の中で、どう切り返していくかを話し合い、今度こそ万全の態勢を整えます。
社長の胸の内を聞き出すインタビュー
「撮影、スタートお願いします。よろしくお願いします」
いよいよ、渾身の取材が始まります。限られた時間の中で、どれだけのことを聞き出せるか。私たちの真価が問われる瞬間です。
「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。まずは、コロナ禍における会社の現状についてお聞かせください」
切り出しは上々。事前に考えた通りの質問を投げかけると、社長は熱のこもった口調で語り始めます。
「この未曽有の事態に直面し、我々の業界も大きな影響を受けていますが…」
ここで私は続けて質問を重ねていきます。
「そうした厳しい状況の中で、経営者として大切にしていることは何でしょうか?」
「withコロナ、アフターコロナの時代を見据えて、どのような方針を持っていらっしゃいますか?」
想定通りの返答に安堵しつつ、さらに踏み込んだ話を引き出そうと試みます。すると社長は、こんな興味深い持論を展開し始めたではありませんか。
「ピンチをチャンスに変える発想の転換が、今ほど求められているときはない」
「変化を恐れるのではなく、新しい挑戦に果敢に取り組んでいきたい」
これは是が非でも記事に盛り込みたい!とメモを取る私。すかさず、もう一押しの質問を投げかけます。
「具体的に、社員に期待されていることはありますか?」
すると社長は、熱のこもった眼差しで力強く宣言するのでした。
「ピンチだからこそ、社員一人ひとりが当事者意識を持って動いてほしい」
「自ら考え、判断し、行動する。その積み重ねが明日への力になるはずだと思っている」
こうして社長の胸の内を直接聞けたことで、記事に説得力が増すことは間違いありません。まさに百聞は一見に如かず。取材の醍醐味を思う存分味わった瞬間でした。
「本日は貴重なお話をありがとうございました!記事にするのが楽しみです」
「こちらこそ、新しい社内報の試みを評価しています。大いに期待していますよ」
粘り強く食い下がった甲斐あって、十分すぎる手応えを感じられた取材。たとえ理想通りにいかなくても、しっかり準備を重ねて対応することが何より大切だと実感した一幕でした。
記事にまとめるのが難しい… でも諦めない!
充実した取材を終えて、意気揚々と執筆に取り掛かる私たち。しかし、ここでまた新たな壁に直面します。膨大なボリュームの取材内容を、限られた文字数におさめるのがこんなにも難しいとは。
「取材では面白い話がいっぱい出たけど、全部盛り込むわけにはいかないよね」
「何を削って何を残すか、取捨選択が難しい…」
目移りするほどの情報量に、さすがのメンバーも困惑顔。でも、ここで諦めるわけにはいきません。苦労して得た社長の言葉を、読者にしっかりと届けるのが私たちの使命なのですから。
「記事のテーマに沿った部分を中心に、内容を絞り込もう」
「やはり読者が知りたいのは、社長の生の声。その部分を最優先で盛り込むべきだね」
「発言の真意は正確に伝えなきゃ。言葉選びに細心の注意が必要だ」
何度もメモを見返しながら、必死に文章を練っていきます。話し言葉をそのまま文字にしても、伝わりにくいだけ。言外の意図を汲み取りつつ、読みやすい表現に言い換える作業の連続でした。
「ここは少し冗長かな。もっとシンプルにまとめられそう」
「パッと読んで分かりやすいよう、文の順番を入れ替えてみるのはどう?」
幾度となく推敲を重ねながら、少しずつ記事が整っていきます。最終的に読みごたえ十分の原稿が完成したときには、大きな達成感に包まれました。
「よし、これなら自信を持って送り出せる!」
「こうやって形になっていくのを見ると、苦労も報われる気がするよ」
初めてづくしの連続で、書き慣れない原稿に四苦八苦したのは事実。でもだからこそ、自分たちの力で乗り越えられたのだと実感できたのです。
たった一つのインタビューにこれほどの労力を費やすとは、正直想像もしていませんでした。でも今となっては、その分得られるものも大きかったと心から思います。取材力も、文章力も、チームワークも。社内報作りを通して、私たちは確実に成長を遂げたのです。
さて、社内報制作も大詰め!
苦労の末に完成した社内報が、どんな反響を呼ぶのか。
私たちなりのベストを尽くした社内報が、果たして読者の心に響くのか。
次回もぜひお見逃しなく!