#編集る

第4話:「何から始めれば…?」 社内報の方向性を決める

2025.03.31

社内報

私たちの社内報『らしさ』って何だろう?

社内報制作プロジェクトがスタートし、メンバーの役割も決まりました。

いよいよ本格的な制作作業に取り掛かる前に、私たちは改めて社内報の方向性を話し合うことにしたのです。

 

「そもそも、うちの社内報ってどんな内容にするの?」

「どんなテーマを中心に据えるのがいいんだろう」

「ターゲットをはっきりさせないと、焦点がぼやけちゃうよね」

 

メンバーから次々と疑問や意見が飛び交います。改めて考えてみると、“社内報を作ろう”と決めただけで、肝心の中身についてはあまり議論していませんでした。

 

何を伝えたいのか、誰に向けて発信するのか。

その基本的な方向性を決めなければ、先に進めないのです。

 

まずは社内報のテーマについて、メンバー全員で意見を出し合いました。

 

「会社の理念や方針を伝えるのが一番大事じゃない?」

「社員同士のコミュニケーションを活性化するのが目的だから、もっと肩の力を抜いた内容がいいと思う」

「会社の動きをタイムリーに伝える情報誌としての役割も忘れちゃいけないよね」

 

意見百出の状況に、なかなか一つの方向がまとまらず…。

そもそも社内報の役割も、情報発信からコミュニケーション促進まで、多岐にわたります。その全てを網羅するのは難しい。かといって、絞り込みすぎては物足りなくなってしまう。

 

「みんなの意見を聞いていると、『らしさ』って大事だと思うんだ」

「うちの社風といえば、フランクでアットホームな雰囲気だよね」

「だったら、堅苦しくならないように、親しみやすさを大切にしたい」

 

議論を重ねるうちに、私たちなりの「社内報らしさ」が見えてきました。

フランクな語り口調、ポップなビジュアル、時にユーモアも交えつつ。それが、私たちの会社の社風に合った方向性だと、徐々に固まってきました。

 

同時に見えてきたのは、「バランス」の大切さでした。

会社からの情報発信と、社員の声の両方を大切にすること。

堅い内容と柔らかい内容のどちらも取り入れること。

時事ネタとタイムレスなネタを組み合わせること。

 

そんな“違いを受け入れる”姿勢こそが、私たちの社内報に必要なのだと。

 

次に議論したのは、ターゲットの設定です。誰に向けて社内報を発信するのか。ここでも、意見が分かれました。

 

「新入社員にも分かりやすい内容がいいよね」

「中堅社員の満足度を上げるのが先決じゃない?」

「管理職にも刺さる内容じゃないと意味がない」

 

年齢も立場もバラバラな社員全員に刺さる社内報など、そうそうできるはずがありません…。

でも、ターゲットを絞り込みすぎては、愛されるメディアにはなれない。そこで私たちは、“ターゲットはあえて設定しない”という発想に至ったのです。

 

ターゲットは設定せず、誰もが楽しめる紙面を目指す。それぞれの立場の人が共感できる記事をバランス良く載せていく、そして分かりやすさと読み応えのどちらも追求していこう。

 

こうして私たちは、一つの方向性を見出すことができました。完璧を目指すのではなく、多様性を認め合う“ゆるさ”こそが大切なのだと。

 

方向性を定めるというのは、考えてみれば、自分たちのアイデンティティを探る作業でもあります。社内報を通して、改めて自分たちの会社の良さを再発見する。

そんな気づきも、この話し合いを通して得られた大きな収穫でした。

 

紙? デジタル? フォーマット選びの迷走

社内報の方向性やターゲットは見えてきたものの、次なる壁が立ちはだかります。

 

それは社内報のフォーマットをどうするか、という問題でした。

 

「社内報って、大概は紙でしょ?上の世代の人たちは紙媒体好きだし」

「デジタルの時代だし、Web版で十分じゃない?」

 

アナログ派とデジタル派で、意見が真っ二つに割れてしまいました。それぞれの主張にも、一理あります。

 

紙の社内報は、手に取って読める温かみがあります。デスクに置いておけば、ついつい手に取って読んでしまう。そうした“アナログならでは”の魅力は、捨てがたいものがあります。

 

一方、デジタルの利点も見逃せません。情報の更新がしやすく、双方向のコミュニケーションも可能です。社員がいつでもどこでも読める利便性は、アナログでは真似できないでしょう。

 

どちらを選ぶべきか、議論は堂々巡りに陥ります。

 

「紙の社内報なら、デスクに置いておけるし、読んでもらいやすいよね」

「でも、リモートワークが増えている今、紙で配るのは難しくない?」

「コストを抑えたいなら、デジタル一択では?」

 

意見は割れましたがコロナ禍以降、リモート勤務の社員が増えている現状を考慮すると、紙媒体の配布にはハードルがあることが明らかでした。

 

そこで、最終的に“PDFデータでの配布”という結論に至ったのです。

 

デジタル配信なら、社員はどこからでもアクセスでき、印刷コストもゼロに。

紙の良さを完全に捨てるわけではありませんが、まずはシンプルで無理のない形からスタートすることが大切だと考えました。

 

フォーマット問題にひと区切りついたものの、社内報制作の道のりはまだまだ続きます…。

 

やっと決まった! でも、次の課題が…

なんとなく議論がまとまったことで、私たちの心に一時の安堵が訪れます。でもそれも束の間、すぐに次の不安が頭をもたげてきました。

 

「いざ記事を書こうと思っても、ネタ探しからが大変そう…」

「紙面のレイアウトも、ゼロから考えないといけないし」

 

方向性が決まっても、それを形にするのはこれからです。具体的にどう進めていけばいいのか、誰もが手探りの状態でした。

 

ネタ探しひとつ取っても、どこから手をつけていいのか見当もつかない。紙面のレイアウトも、ゼロから考えるとなると、途方もない作業になりそう。取材や編集の進め方も、経験のない私たちには荷が重すぎる…。

 

でも、だからこそ挑戦する価値がある。たとえ失敗しても、そこから学べることは必ずあるはず。みんなで知恵を出し合い、助け合いながら、少しずつ前に進んでいけばいい。

 

「みんな、気合い入れていこう!」

「私たちにしかできない社内報を、絶対に作り上げよう!」

 

かくして、私たちの社内報制作の新たなフェーズが幕を開けました。試行錯誤の日々は、まだまだ続きそうです。

 

 

次回は、いよいよ企画案の検討に取り掛かります。

ネタ探しから取材、執筆まで、悪戦苦闘の日々が私たちを待っています。

はたして、理想の紙面づくりは順調に進むのか…。