社史・年史・記念誌を制作することに決まった場合、複数の制作会社に見積を依頼することが多いです。
その際、あらかじめある程度の希望内容を整理しておくことで、見積金額に無理や無駄が出にくくなり、比較検討もしやすくなります。
ここでは、社史等の見積依頼を行う際に、最低限決めておきたいポイントをご紹介します。
1.どのような社史を作りたいかを整理しておく
発行目的【必須】
発行目的は、直接的には見積金額に影響しませんが、制作会社として社史の方向性や仕上がりイメージをつかむために非常に重要な情報です。
また、目的が明確であれば、見積とあわせて企画案のご提案も可能になります。
発行時期【必須】
多くの場合、発行スケジュールが決まっているかと思いますので、納品希望日をお伝えください。
構成(ページ配分)【可能であれば】
社史制作は数年~数十年に一度の機会であることが多く、構成(ページ配分)に関する知見が社内にない場合も少なくありません。とはいえ、各パートのおおよそのページ配分が分かれば、見積の精度が大きく向上します。
たとえば「全100ページ中、70ページが沿革、20ページが特集、10ページが資料」といった想定があると、工数やボリュームを把握しやすくなります。
2.媒体・仕様の希望を明確にする(媒体・体裁)
発行媒体【必須】
完成品を「印刷して冊子にする」のか、「PDFなどでデジタル配布する」のかを事前にご検討ください。
特に印刷の有無は、見積金額に大きく影響します。
判型【必須】
判型はA4サイズが一般的ですが、A5判、B5判なども対応可能です。
内容や用途、配布対象に応じてご希望のサイズをお知らせください。
ページ数【必須】
最終的なページ数が未確定でも構いませんので、おおよそのページ数をお知らせください。
制作の進行とともに多少の変動はあっても、見積作成時点では「○ページ程度」と想定しておくことをおススメします。
発行部数【必須】
印刷する場合、発行部数も重要な要素です。小ロットか大部数かによって印刷単価が変動します。
配布対象(社員、OB、取引先など)を想定しながら、必要部数の見込みを立ててください。
製本スタイル【可能であれば】
印刷する場合、ハードカバーかソフトカバーかによって仕上がりの印象やコストが変わります。
高級感を重視する場合はハードカバー、コストを抑えたい場合はソフトカバーがおすすめです。
用途に応じてご検討ください。
カラー【可能であれば】
印刷する場合、すべてカラーで印刷するのか、一部のみカラーで残りはモノクロにするのかによって、印刷費に差が生じます。
たとえば「前半50ページはカラー、後半50ページはモノクロ」など、ページ単位での指定も可能です。
3.どこまでを依頼したいかを明確にする(業務範囲)
業務を依頼する範囲【必須】
制作会社にどの工程までを依頼するかによって、見積金額は大きく変わります。
特に「①資料整理」「②原稿執筆」「③デザイン」の3点について、自社で対応するのか、制作会社に委託するのかを整理しておきましょう。
すべてを制作会社に任せることも可能ですが、一部でも自社対応ができれば、コストを抑えることができます。
この場合、原稿執筆は「既存原稿のリライト(過去50年分)」と「新規執筆(直近50年分)」に分かれ、それぞれ作業内容や単価が異なります。見積精度を高めるためにも、リライトと新規執筆を分けてご依頼いただくことをおすすめします。
インタビュー等の有無・回数【可能であれば】
関係者へのインタビューを予定している場合は、対象人数や回数、場所などを事前に想定しておくと、見積が正確になります。たとえば「社長・創業者・OBの3名に実施予定」など、ざっくりとした内容でも構いません。
訪問先の地域や、対面・オンラインといった取材方法の違いによっても費用は変動します。