弊社は社内報や社史の制作を専門とする会社ですが、紙媒体の制作実績を活かし、ニュースレターの制作を依頼されることもあります。
そこで、今回はニュースレターを制作する際のポイントについて解説します。
ニュースレターとは?DMとの違い
ニュースレターは、企業やブランドが顧客や関係者に定期的に発行する情報発信ツールです。紙媒体のほか、メールニュースレター(メルマガ)のようにデジタル形式で配信されることもあります。その目的は、単なる宣伝ではなく、有益な情報を提供し、読者との関係を深めることにあります。
ニュースレターと似た媒体にダイレクトメール(DM)があります。DMは主に販売促進を目的とし、商品の案内やキャンペーン情報を直接伝える手法ですが、ニュースレターは、企業のストーリーや業界の最新情報、事例紹介などを通じて、長期的なファンを育成する点が大きな違いとなります。
ニュースレターを活用する業種
ニュースレターは多くの業種で活用されていますが、特にBtoB企業での利用が目立ちます。
特に、すべての顧客に定期的に営業活動を行えない企業で効果が発揮されます。
例えば、建設業の許可申請を専門とする行政書士事務所では、建設業許可申請が5年ごとの更新業務であるため、一度の依頼で終わるのではなく、次回の更新まで顧客との関係を維持する必要があります。そこで四半期ごとにニュースレターを送ることで、マインドシェアを高めるとともに、関連するサービスを紹介し、新たな受注につなげるような取組を行っています。
また、BtoCの分野でも利用されています。例えば、あなたの家のポストに政治家の活動報告が投函されていることはありませんか?これもニュースレターの一種です。保険会社や不動産会社も、契約後のフォローアップとしてニュースレターを活用し、定期的に情報を発信することで顧客との関係を維持しています。
ニュースレターで長期的なファンを作る
企業にとって顧客との関係を長期的に維持することは非常に重要です。ニュースレターは、単なる販売促進のツールではなく、読者にとって価値のある情報を提供し、企業やブランドへの信頼感を醸成する役割を果たします。
近年はSNSを活用したマーケティングも一般的ですが、ニュースレターにはSNSにはないメリットがあります。その一つが、情報を深く伝えられる点です。SNSは短い文章や画像、動画での発信が中心ですが、ニュースレターは詳細な情報をじっくり伝えることが可能です。
また前述のとおり、ニュースレターはBtoB企業で活用されていることが多くなっています。あなたはSNSの個人アカウントで、取引先のSNSをフォローしていますか?実は、個人アカウントで取引先のSNSをフォローしている割合は決して高くありません。しかし、ニュースレターであれば、会社や会社のメールアドレス宛に直接届くため、業務時間内に確認される可能性が高まります。
効果的なニュースレター制作のポイント
ニュースレターを活用するには、効果的な制作が不可欠です。まず、ターゲットを明確にし、誰に向けて発信するのかを意識することが重要です。既存顧客向けか、新規顧客獲得を目的としているのかによって、内容やトーンが異なります。
また、読者にとって有益な情報を提供することが求められます。自社の製品やサービスのみを紹介するのではなく、業界の最新動向や活用事例、成功事例などを盛り込むことで、読者の関心を引き付けることができます。その他、社内のイベント情報など、社員の人間性をアピールすることも、読者の関心を引き付けために有効です。
デザインやレイアウトも重要です。視認性を高めるために、紙媒体では写真やイラストを効果的に活用し、デジタル版ではフォントやカラーを工夫することで読みやすさを向上させます。
総じて、柔らかく、読みやすい構成を心掛けることが大切です。
さらに、ニュースレターは定期的に発行することがポイントとなります。月刊や隔月刊、季刊など、発行スケジュールを決めることで読者の関心を維持できます。継続的に情報を提供することで、ブランドへの信頼を高め、読者との関係を深めることができます。
ニュースレターは単なる情報発信ではなく、顧客との関係を強化し、ブランド価値を伝える重要なツールです。ターゲットに合わせたコンテンツを提供し、長期的なファンを獲得するために、ぜひ活用を検討してみてください。