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色校正ってなに? 色校正で最低限確認する6つのポイントを知っておこう

2025.02.21

その他

印刷物を作る際、色校正(いろこうせい)はとても重要な工程です。

スケジュールの都合やコストの問題から、つい省略されがちですが、色校正を正しく行うことで、印刷ミスを防ぎ、理想的な仕上がりを実現できます。

本記事では、色校正の基本と、最低限確認すべき6つのポイントについて解説します。

色校正とは?

色校正とは、印刷物の色味や仕上がりを確認する作業です。印刷前のデータと実際に出力された色見本を比較し、問題がないかをチェックします。特に大部数を刷る印刷物では、刷り直しに大きなコストがかかるため、色校正は欠かせません。

色校正の種類

色校正にはいくつかの方法があります。代表的なものを2つだけ紹介します。

1. 簡易校正(デジタルプルーフ)

デジタルプリンターを使用して出力する方法です。印刷の仕上がりに近い状態を確認できますが、実際の印刷機とは異なるため、完全に同じ色にはなりません。簡易的なチェックに向いています。

2. 本機校正

実際の印刷機で出力し、仕上がりを確認する方法です。本番に最も近い仕上がりを確認できますが、コストが高く、時間もかかります。

最低限確認するべき6つのポイント

色校正では、以下の6つのポイントを最低限チェックしましょう。

1. CMYKのズレ(版ズレ)

印刷ではCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色を使いますが、これらがズレると印刷物がぼやけたように見えます。印刷物を手に取ってみたとき、画像や文字の輪郭がシャープではなく、ぼやけたり二重に見えたりする場合は、CMYKのズレが発生している可能性があります。

最近では技術の向上によりズレが起こることは少なくなりました。また、これは見ればすぐに気づくので、チェックの際に見落としはないと思われます。

2. モアレ(干渉模様)

モアレとは、網点の重なりによって発生する意図しない模様のことです。特に、細かいパターンやグラデーションの部分に発生しやすくなっています。例えば、布地や格子状の背景デザインなどがモアレの影響を受けやすく、意図しない斜めの波模様が発生することがあります。印刷前のデータでは問題なく見えても、実際の印刷物では出てしまうことがあるため、しっかり確認することをおすすめします。

なお、「モアレ」という現象があることを知っていれば気づくものですが、初めて色校正を行う方などは、その存在を知らないと気付きづらいので注意しましょう。

3. ピンホール

ピンホールとは、印刷面にできる微細な白抜けや点状の欠陥のことです。特に濃い色や広範囲のベタ塗り部分で発生しやすく、意図しない仕上がりになってしまうことがあります。原因としては、印刷機のローラーに付着した異物や紙粉、インクの粘度の問題などが考えられます。

ピンホールは見逃しやすいため、光の角度を変えながら注意深くチェックし、小さな欠陥でも印刷会社に報告し対応を依頼することが重要です。

4. 肌の色

人の肌色は特に重要な要素です。不自然に赤みが強かったり、青白くなったりしていないかチェックしましょう。特に広告やパンフレットなどで人物写真を使用する場合、血色が良く健康的に見えるかどうかが、印象を左右します。照明やカメラの設定によって色味が変わることがあるため、元データと印刷物を比較しながら、できるだけ自然な肌の色になるように調整が必要です。

5. データ上の不備

印刷データのミスがないかも確認しましょう。特に、トンボ(裁ち落としの目印)までしっかり塗り足しがあるかどうかは重要です。塗り足しが不足していると、断裁時に白い部分が出てしまい、仕上がりが悪くなります。また、レイヤーの統合漏れや不要なオブジェクトが残っていないかもチェックしましょう。

これらのデータ不備は、見落としがちなポイントのため、データ作成時点から意識して注意を払うことが大切です。

6. 文字の最終チェックのチャンスでもある

色校正のタイミングは、文字の誤字脱字を確認できる最後のチャンスでもあります。特に、目立つキャッチコピーやタイトルにミスがあると、印刷後に修正できないため注意が必要です。また、フォントサイズや行間のバランスが適切かどうかも併せてチェックしましょう。

特に、印刷時には、画面で見たときよりも文字が細く見えたり、背景とのコントラストが弱くなったりすることがあるため、視認性の確認も忘れずに行いましょう。

色校正は複数人で実施しよう

色校正は一人で行うよりも、複数人で確認するのが理想的です。

人によって気づくポイントが異なるため、複数人の目で確認することでミスを減らせます。また、印刷会社の担当者とも情報を共有し、意図した色味が再現されているかを確認することが重要です。