書籍や雑誌などの媒体を制作する際、必ず出てくるのが「編集者」という役割です。
ここでは、編集者の仕事についてご紹介します。
辞書にみる「編集」の定義
辞書で「編集」を調べると、情報や素材を選び、並べ、整えることと定義されています。つまり、複数の情報を読み手に伝わりやすい形にまとめる作業のことです。
ただし…実は「編集者」の業務はこれだけに留まりません。次の項目では、編集者の主な業務をご紹介します。
編集者の5つの業務
編集者の業務は大きく5つに分かれています。以下、それぞれの業務と具体例を示します。
1. 企画の立案や構成づくり
最初の工程は、伝えたいテーマを決定し、全体の構成を考えることです。
たとえば、ある月刊誌で「夏のファッション特集」を企画する際、最新トレンドのリサーチを行い、読者が興味を持ちやすい切り口や取り上げるブランドを決定します。
編集会議で複数のアイデアを出し合い、掲載順や記事の内容を具体的にまとめることで、明確な企画書が作成されます。
2. 制作進行管理
企画が決定されると、ライター、カメラマン、デザイナーなどのクリエイターとの連携が始まります。
たとえば撮影工程では、撮影日程が関係者間で調整され、取材や撮影が予定通り進むようにスケジュールが管理されます。
予期せぬトラブルが発生した場合でも、関係者との連絡を密に取りながら迅速な対応策を講じ、全体の進行が滞らないよう努めます。
3. 原稿のチェックや編集、校正・校閲
原稿の内容が正確で読みやすいかどうかを確認する作業も重要な業務の一つです。
事実関係の確認や数値データの正確さ、専門用語の使用が適切かどうかもチェックします。さらに、文章全体の流れや統一感を整えるために、誤字脱字の修正や表現の加筆修正が行われ、最終的に完成度の高い原稿へと仕上げます。
一般に「編集者」といえば、この部分の役割をイメージすることが多いのではないでしょうか?
4. デザイン・レイアウトの監修
文章の内容に合わせた、見た目のデザインやレイアウトも重要な要素となります。
見出しの大きさや写真の配置、配色のバランスが調整され、読者にとって見やすく理解しやすいデザインが実現されます。
編集者はデザイナーと打ち合わせを重ね、記事の内容と視覚的表現との調和を図ることで、全体の印象をより魅力的なものに仕上げます。
5. 最終チェックと納品
最後の工程では、すべてのコンテンツが計画通りに仕上がっているかを丹念に確認します。
印刷前の最終校正では、レイアウトのズレや文字の大きさ、画像の解像度など、細部にわたるチェックが実施されます。
不具合があれば修正を行い、問題のない状態で納品されるため、読者に届く作品の品質が保証されます。
編集者にはディレクション能力が重要
多くの制作物では明確な納期が決まっており、そのなかで不測の事態に対応しながら、完成度の高い制作物を作る必要があります。
これを実現するためには、編集者にディレクション能力が求められます。
各担当者と連携を図りながら、全体の進行を管理し、関係者全員がスムーズに作業を進められるよう調整することで、全体のスケジュールを維持することができるのです。