「社内の雰囲気をもっと良くしたい」 会社からのミッション
私は普段、コンサートやイベントの企画・運営を行っている会社で働いています。
華やかな舞台の裏側で、イベントを成功させるために日々奮闘しているのです。
タレントのスケジュール調整から、会場の手配、当日の運営に至るまで、スタッフ一同が一丸となって業務に取り組んでいます。
2021年頃、新型コロナウイルスの影響が長引く中、私たちの会社も大きな変化に直面していました。
オフィス勤務が減り、リモートワークが当たり前になったことで、社員同士の交流が激減。かつては活気に満ちていた社内も、どこか冷え込んだ雰囲気が漂い、一体感の希薄さを感じるようになりました。
さらに、社内イベントも感染対策のために次々と中止。気づけば、同じ部署のメンバーとすら顔を合わせる機会がほとんどなくなっていました。
この状況を憂慮した経営陣は、あるミッションを掲げました。
「社内の雰囲気をもっと良くしたい。社員のモチベーションを高め、活気のある職場を取り戻そう!」
こうして、私を含む数名のメンバーが社内から集められたのです。
メンバーの顔ぶれは、営業、事務、デザインなど、普段の業務がまったく異なる人たち。お互いのことをよく知らないまま、突然のプロジェクトが始まりました。
私たちができることは何なのか…。
経営陣からの期待を胸に、新たな一歩を踏み出すことになりました
集められたメンバー、何をすればいいのか?
メンバーは決まったものの、具体的に何をすればいいのか、誰も明確な答えを持っていませんでした。
バラバラのバックグラウンドを持つメンバーが集まっただけに、アイデアを出し合ってもなかなか良案が生まれません…。
営業職、事務職、デザイナーなど、普段の業務も全く異なります。
共通の目標へ一丸となって取り組むことの難しさを、この時に身をもって感じました。
「どうすれば社内のコミュニケーションを活性化できるのか?」
「リモートワークでも社員同士のつながりを維持するには?」
「会社への帰属意識を高める方法は?」
議論を重ねても、決定打が見つからず、もどかしさだけが募ります。
現状の課題は明確なのに、解決策が見えない。もどかしさを感じながらも、私たちは諦めずに議論を続けます。
「社内報」というアイデアが生まれるまでに、実に多くの紆余曲折があったのです。
営業職や事務職のメンバーからは、「社員同士の交流の場を作れないか」「社内イベントを開催してはどうか」といった提案が出ました。
確かに、コロナ禍以前は、社員旅行や忘年会などの社内イベントが活発に行われていました。それらのイベントを通して、普段は接点のない部署のメンバーとも交流を深められていたのです。
しかし、感染リスクが高まる中では、イベントの開催は難しい。
リモートワークが主流の今、物理的な交流の場を設けるのは得策とは言えません。
かといって、オンラインイベントではなかなか本音のコミュニケーションは生まれにくいのも事実です。
私たちは、もっと根本的な解決策を探る必要がありました。
一方、私のようなデザイン業務に携わるメンバーは、「社内のコミュニケーションツールを改善できないか」「情報共有の仕組みを見直せないか」と考えていました。
社内ポータルサイトの活用や、情報共有ツールの導入など、ITの力を借りて課題解決を図ろうとしたのです。
しかし、新しいツールを導入するには、システム開発の時間とコストがかかります。
そもそも、ツールを導入しただけでは、社員のコミュニケーションが活性化するとは限りません。
ツールはあくまで手段であって、目的ではないのです。
私たちがすべきことは、もっと根本的なところにあるはずだと考えを巡らせました。
話し合いの末に生まれた“社内報”というアイデア
迷走を続けていたプロジェクトに、転機が訪れたのは、あるミーティングでのことでした。メンバーの一人が、こんな提案をしたのです。
「社内報はどうだろう? 情報共有のツールにもなるし、社員同士をつなぐコミュニケーションの場にもなる。何より、会社の一体感を生み出すきっかけになるんじゃないかな」
その言葉に、メンバー全員が耳を傾けました。
社内報――それは、まさに私たちが求めていたアイデアではないでしょうか。
情報共有のツールとしての社内報。
社内報を通して、会社の方針や業績、各部署の取組などを共有することができます。
社員一人ひとりが会社の状況を把握し、自分の仕事が会社全体にどう貢献しているのかを実感できるようになるかもしれない。
社員同士をつなぐコミュニケーションの場としての社内報。
社内報は、社員同士の対話を生み出すきっかけにもなります。普段は接点のない部署や世代を超えて、社員同士がつながる機会を提供できるはずです。
会社の一体感を生み出すきっかけとしての社内報。
社内報を通して、社員全員が会社の目標や価値観を共有することができます。一人ひとりが会社の一員であることを実感し、組織への帰属意識が高まっていくことでしょう。
言葉にすると、とてもシンプルなアイデアですが、その可能性に私たちは心躍らせました。
イベントの企画・運営という本業とは全く異なる分野ではありますが、社内報という新しいチャレンジに挑戦してみたい。そんな想いが、メンバー全員の心に芽生えたのです。
いざプロジェクト始動! でも、社内報ってどうやるの?
「社内報で、会社をもっと良くしていこう!」
かくして、私たちの社内報プロジェクトが始動しました。
メンバー全員が新しい挑戦に胸を躍らせる一方で、不安な気持ちもありました。
私たちは誰一人として、社内報を作った経験がありません。いったいどうやって作ればいいのか、何から手をつければいいのか、皆目見当がつかないのです。
紙の社内報を作るのか、それともWebでの発信を目指すのか。
どんな記事を掲載し、誰が記事を執筆するのか。
発行頻度はどうするのか、予算はどのくらい必要なのか。
「まずは、他社の社内報を研究してみようか」
「社内報に必要な要素って何だろう? コンテンツの企画が先か、それともデザインから考えるべきか…」
「どのくらいのペースで発行するのがいいんだろう?」
次から次へと疑問が湧いてきます。
会社員としてのキャリアは長くても、社内報作りは初めてのこと。正直なところ、何をどうすればいいのか検討もつきませんでした。ゼロからのスタートに、途方に暮れる思いでした。
しかし、私たちには社内報への熱い想いがありました。
この新しいチャレンジを通して、社内コミュニケーションを活性化し、会社の一体感を取り戻したい。そして、社員一人ひとりがいきいきと働ける職場を作りたい。
そんな想いを胸に、私たちは一歩ずつ前に進んでいくことを誓ったのです。
大きな期待を背負ったプロジェクトが、いよいよ動き出しました。
次回は、社内報制作の第一歩についてお話ししますね。
お楽しみに!