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社内報の定番コンテンツ「新入社員特集」を考える

2025.03.10

社内報

新年度を迎える4月号の社内報では、新入社員特集が定番のコンテンツとなっています。新しい仲間を社内に紹介し、早く環境に馴染めるようにすることを目的とし、多くの企業で実施されています。

とはいえ、毎年同じ企画をしていたら飽きてくるもの。そこで、ここでは新たな視点の新入社員特集の企画を考えていきます。

「顔写真+一言コメント」が定番パターン

新入社員特集のなかでも、最もシンプルかつ定番のスタイルが「顔写真+一言コメント」の形式です。新入社員特集の目的である、「新入社員の顔と名前を覚えてもらうこと」を実現できるため、多くの企業で取り入れられています。

紙面では、氏名や所属部署など、簡単な情報を写真とともに掲載します。また、一言コメントを入れることで、新入社員の個性が伝わり、読み手の興味を引きやすくなります。また、シンプルな構成であるため、社内報のスペースが限られている場合にも適した方法です。

さらに、デザインに工夫を加えることで、より親しみやすい雰囲気を演出できます。例えば、吹き出しを使ったデザインや、ポラロイド風のレイアウトを取り入れると、視覚的にも楽しめる誌面にすることができます。

なお、「新入社員特集」は、弊社内でも“大変”と言われるコンテンツです。

大変である理由を少しご紹介させてください。

1. 名前や一言コメントの入れ違い

既存社員であれば、名前が間違っていた場合、「何かおかしい」と気づくことができますが、新入社員の場合は誰も誤りに気づかず、間違ったまま掲載されてしまうケースがあります。弊社でも毎年、入念に確認を行っていますが、提供された原稿自体が間違っていると修正が難しくなります。

2. 写真の明るさの違い

毎年この時期になると、弊社のデザイナーは写真の調整作業に追われます。本来であれば、すべての新入社員が同じ環境(統一された照明や背景)で撮影してくれるのが理想ですが、実際にはさまざまな場所で撮影された写真が集まるため、明るさや色味がばらついてしまいます。この問題を解決するために、Photoshopを使用して色調補正を行い、できるだけ統一感のある仕上がりに整えています。

新入社員インタビューや座談会でじっくり紹介

「顔写真+一言コメント」だけでは伝えきれない新入社員の魅力を深掘りする方法として、個別インタビューや座談会を取り入れるのも効果的です。

新入社員インタビューでは、入社前と入社後のギャップ、研修で印象に残ったこと、今後の目標などについて話を聞きます。こうした内容は、新入社員自身の言葉で語られることで、よりリアルな感情が伝わります。

一方、新入社員同士で座談会を開催し、同期ならではの共感ポイントを語り合う企画も人気があります。たとえば、「同期の印象、実は…?」「先輩に驚いたエピソード」などのテーマで自由に話してもらうことで、フレッシュな視点を誌面に反映できます。

新入社員からアンケートを取る企画

新入社員の考え方や価値観を反映する方法として、アンケート企画も効果的です。特に、結果をランキング形式やグラフを活用してビジュアル化すると、より興味を引きやすくなります。

また、毎年同じアンケートを取ることで数年分のデータを比較することができます。このデータを活用して、「3年前と比べて、新入社員の価値観はどう変わったのか?」という視点を加えると、時代の変化も読み取れる面白い企画になります。

逆に、新入社員を読者と想定した企画もあり

新入社員特集の目的は、新入社員を紹介することだけではありません。彼らが社内でスムーズに馴染み、活躍できるようにするためのサポート情報を提供する場でもあります。そのため、新入社員自身を読者と想定し、役立つ情報を掲載する企画を考えるのも効果的です。

たとえば、「1年先輩からのメッセージ」として、新入社員にとって最も身近な存在である先輩社員から、実体験をもとにしたアドバイスを掲載する企画などが考えられます。

また、福利厚生の紹介も重要な情報のひとつです。新入社員は社内制度についてあまり詳しくないことが多いため、「意外と知られていない福利厚生」や「先輩社員が実際に使ってみてよかった制度」を紹介することで、制度を有効活用するきっかけを作ることができます。

さらに、「会社の“裏”マニュアル」や「社内用語集」など、新入社員が業務をスムーズに進めるための情報をまとめた企画も役立ちます。業界特有の用語や社内でよく使われる略語の解説、オフィス周辺のランチ情報、社内での暗黙のルールなどを紹介することで、新入社員が会社生活に慣れやすくなります。